八卦掌の練習体系
本ページでは、走圏や八卦掌の基本功、技法、套路、対練といった八卦掌独特練習体系の概要を紹介します。
八卦掌の練習体系の概要
当会の八卦掌の練習体系には以下のようなものがあります。
- 走圏
- 基本功
- 技法
- 套路(型)
- 対練
- 用法(摔法と擒拿)
- 武器術
以下、簡潔に紹介します。
走圏
八卦掌の独特の練習法と言えば、まず走圏が挙げられると思います。
走圏とは、円周上を歩くという意味です。
走圏は、八卦掌の代名詞とも言えますが、その具体的な効果や意味については、あまり語られてこなかったように思います。
理由は、秘伝といった事もあるのでしょうが、やはり口頭で説明するのが非常に困難だという事。
そして、もう一つは具体的な効果が得られるまで、やり遂げた人が少ないとも言えます。
私自身が、15年以上、走圏をしてきて効果や意味については、【走圏について】のページで、詳しく解説しています。
走圏の種類は、各派で微妙に違いますが、八種類の定式を採用している門派が多く、それぞれ次の段階で学ぶ換掌と連絡しています。
八卦掌の基本功
八卦掌の基本功に関しては、大別すると、【換掌】と【単操】の2点が挙げられます。
換掌
各走圏の姿勢に転換動作を加えたもの。単換掌などもそれにあたる。
外見上は、平円での旋回動作であるが、実際は八卦掌特有の螺旋勁を習得するための前段階としての練功法である。
体を翻し、立円での転身動作。熊が前足で獲物を撲る動作が名称の由来となっている。
単操
単操は、基本動作の単式練習の事です。
その目的としては、八卦掌独特の力の出し方を学ぶものや足腰の鍛錬、また八卦掌の特徴である螺旋勁を身に付けるためのものなどがあります。
馬貴派八卦掌独特の前方への力の出し方を学ぶ練功法。他派の八卦掌の双撞掌と比べても、かなり異質である。
八卦掌の横方向へと開く力を養成する練功法。
換掌の項で紹介した葉底蔵華をさらに発展させ、八卦掌特有の螺旋勁を習得するための練功法。
下盤(下半身)の強化と共に、八卦掌特有の纏絲勁を養成する練功法。
その他、八卦掌には数多くの基本功、練功法が存在します。詳しくは【八卦掌の基本功】のページをご覧下さい。
八卦掌の技法
八卦掌には、多種多様な技法がありますが、その特徴は、手を武器のように身体で操作するという事です。
例えば、八卦掌の穿掌という技法は、槍の突く動作から生まれました。
穿掌は、八卦掌のもっとも根幹となる技法です。言い換えれば、八卦掌の練習体系は、この穿掌をいかに高めていけるかを考えて構成されています。
また、棍や槍を振り落とす動作から、劈掌という技法も生まれました。
このように八卦掌は、武器を扱う動きを素手の拳法に活用している例が多く見られます。
他の八卦掌の技法は、【八卦掌の技法】のページで詳しく紹介しています。
八卦掌の套路(型)
八卦掌の套路は、各派によって随分と異なりますが、原形となる老三掌に関しては、おおよそ共通しています。
- 単換掌
- 双換掌
- 順勢掌
また馬貴派八卦掌には、88式や128式など、太極拳のように直線上を往復する套路もあります。
老三掌を中心とした套路の解説は、【八卦掌の套路(型)】のページをご覧下さい。
八卦掌の対練
八卦掌の対練に関しても、各派でかなり特徴があります。代表的なものとしては以下のようなものがあります。
- 穿掌対練
- 圧掌対練
- 迎面吸化掌
- 円圏対練
- 双撞掌対練
- 帯手対練
- 各種走圏対練
など
八卦掌の用法(摔法と擒拿)
八卦掌には、技法の項で紹介した打法以外にも摔法と擒拿があります。
簡潔に紹介すると、摔法は投げ技、擒拿は関節技の事です。
八卦掌の摔法や擒拿の特徴は、螺旋勁を用い、相手の抵抗を起こさせずにかけるところにあります。
八卦掌の摔法や擒拿については、【八卦掌の用法】のページで紹介しています。
八卦掌の武器術
八卦掌は、武器術においても、判官筆や七星扞など、かなり独特な兵器類が伝わっています。
当会に伝わっている武器術としては、以下のようなものがあります。
- 馬貴派八卦掌(八卦大刀、子母鴛鴦鉞)
- 宋長栄八卦掌(子母鴛鴦鉞)
当会で指導している中国武器術は、こちらのページをご参照下さい。
まとめ
今回は、当会で紹介している八卦掌の練習体系について、走圏や基本功、基本技法、套路、対練などの概要を紹介してみました。
それぞれの内容は、各詳細ページで詳しく解説しているので良かったら、ご参照下さい。
八卦掌は、二代目以降の伝承者達の創意工夫により、現在各派で独自の套路(型)や練習体系が伝わっています。
また、近年では表演用の套路がいくつも創作され、かつ映画や漫画などの影響もあり、八卦掌の実像といったものが歪んで伝わっているように感じます。
本来の八卦掌は、どのような戦略と戦術を用い、実際にどのような技法を使い、どのような練習を行ってきたのか、それらを実践する事で、董海川始祖が伝えた八卦掌の本質にせまる事を当会では目標としています。
当会での受講をお考えの方は、【受講案内】のページをご覧下さい。